済昭園について

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理事長メッセージ
社会福祉法人 済昭園 理事長 小佐々良徹

平成30年10月、済昭園は創立90周年という節目の年を迎えます。

この記念すべき佳き年に、時を同じくして、私も古希という節目を迎えましたが、平均寿命を超える90歳以上は「超高齢者」。75歳より90歳が高齢者。70歳は准高齢者と見直されつつある昨今、私如きはまだまだ若輩で浅学未熟者であります。

禅語に『卆啄同時』(そったくどうじ)という語があります。
親鳥が卵を温めて頃合いを計り、それを啄く(つく)。雛鳥も殻の中で成長しながらその時、内より卆う(すう)。
この同時の気合いで見事に雛が殻より飛び出すという意味です。
親鳥と子の気合いが合致しないと、子は殻の中で身悶えて命を落とすこともあり、早すぎても水と流れることもあろうかと思います。
心と心の機縁が熟し、これを同時に自覚した時、始めて「心のふれ合い」ができるという教えです。
現在においては、この「心のふれ合い」が非常に重要だと思うのです。

さて、平成29年より社会福祉法人制度の改革が見直され、公益性、非営利性を確保する観点から制度を見直し、国民に対する説明責任を果たし、地域社会に貢献する法人の在り方を徹底することとなりました。

1. 経営組織のガバナンスの強化
2. 事業運営の透明性の向上
3. 財務規律の強化
4. 地域における公益的な取り組みを実施する責務
5. 行政の関与の在り方の取り組み

当法人においてもこれらの改革に一つずつ取り組んで参ります。

当児童養護施設では、複雑多様化する入所児童のニーズにどう答えていくかが課題となっております。
どうしても心に深い傷を負った児童が増加傾向にあり、これに応じた手厚いケアが必要です。
温かい家庭的雰囲気の中で、“個”という自主性と共に、“公”という社会性も併せた生活を経験させ、思いやりの心を養っていきたいと考えております。
また、課題と将来像は、戦後の大舎を中心とした『保護収容』から、小規模化や里親制度の拡充による家庭的『養育』へと大きく転換されます。『施設か里親か』ではなく、施設と里親が手を組んで社会的養護の強化を図るというものです。
こうした中、当施設も社会的養護に取り組み小規模化(グループホーム)に向けた推進計画をしていかねばと思っています。それには当然職員の力量が大きく問われ、人材育成が求められます。

また、養護老人ホーム、介護保険施設のご利用者におきましては、住みなれた地域で家族と共に人生を謳歌したいと考えておられることでしょう。
私たちは、その一端をお手伝いさせていただいていることを十分に理解し、笑顔を持ってケアにあたらせていただいております。
苦労してきた先人達に、「いろいろあったけど、いい人生だったなぁ〜。済昭園を選択して本当に良かったなぁ〜。」と言っていただけるような施設を目指し、日々精進しております。

済昭園創立から90周年を迎えるにあたり、残すべき古き良き伝統はそのままに、今の時代に即したブランディング活動を実施し、様々な改革を実行していくこととしています。
社会福祉のイメージ向上はもとより、福祉に携わる職員としてまた済昭園職員として誇りを持てるような取り組みを行って参ります。

今後とも法人全体が活気に満ちた、選ばれる施設となり得るよう努力して参ります。
皆様方より叱咤激励をいただきますと共に、併せてご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。