このたび、社会福祉法人「済昭園」の理事長に就任いたしました小佐々徹正でございます。謹んでご挨拶を申し上げます。
済昭園は、禅の教えを根底に置き、「社会を明るく照らす」という使命のもと、福祉を必要とするすべての方々に寄り添い、支え合う社会の実現を目指してまいりました。その基本理念にある「和顔愛語」「照顧脚下」「一期一会」「主人公」「一日不作、一日不食」は、私たちの日々の実践において指針となるものです。
今日の日本社会は、少子高齢化が加速し、人材確保の難しさといった課題に直面しています。そのような時代において、社会福祉法人の果たすべき役割はますます重要となっています。私たちは、福祉を単なるサービスの提供にとどめることなく、地域社会と一体となり、互いに支え合いながら真の共生社会を築いていくことを目指します。
そのためにも、まずは職員が安心して働ける環境を整えることが、利用者の皆さまへ安定した福祉サービスを提供できる源と考えます。職員一人ひとりが自己の役割に誇りを持ち、日々の仕事の中に「一期一会」の心を見出しながら、支援にあたることができるよう努めてまいります。
また、禅の教えにある「照顧脚下」、すなわち足元を見つめ直し、己を省みることを忘れず、一歩一歩確実に進んでいくことが大切だと考えます。福祉の本質を見失うことなく、私たちが「社会を明るく照らす」存在となれるよう、皆さまと共に歩んでまいりたいと存じます。
済昭園では、高齢者福祉施設と児童養護施設を運営し、人生のさまざまなステージにおいて支え合う環境を提供しております。児童養護施設においては、未来を担う子どもたちが安心して成長できるよう、温かく見守り、健やかな心を育む支援に努めてまいります。子どもたちが希望を持ち、自らの可能性を信じられる社会を築くことは、私たち大人の責務であり、それこそが「和顔愛語」の精神を体現することにつながると考えています。
また、高齢者福祉施設においては、長年社会を支えてこられた皆さまが、安心して充実した日々を過ごせるよう、心を尽くしたケアを提供いたします。お一人おひとりの人生に寄り添い、「主人公」の精神を大切にしながら、尊厳ある暮らしを支援してまいります。高齢者の方々が生きがいを持ち、地域とのつながりを実感できる場をつくることも、私たちの重要な役割と考えています。
済昭園は、昭和3年(1928年)の開設以来、長きにわたり地域福祉に貢献してまいりました。そして、間もなく100周年を迎えようとしております。この節目に向け、私たちはこれまでの歴史を振り返りながら、さらなる発展と地域社会への貢献を目指してまいります。これからも、福祉の本質を見失うことなく、時代の変化に柔軟に対応しながら、より良い支援を提供し続けることが私たちの使命です。100周年を迎えるその日まで、そしてその先も、皆さまと共に歩み続ける済昭園でありたいと考えております。
理事長就任にあたり、私の今後の目標として、新たな禅の教えを心に刻み実践してまいります。
常に正しい心を失わず、利用者の皆さまと誠実に向き合う。
変化を恐れず、自然の流れの中で柔軟に福祉のあり方を模索する。
相手の立場に寄り添い、共に歩みながら支え合う精神を大切にする。
初めの志を忘れず、常に謙虚な気持ちで福祉に向き合う。
最後になりますが、地域の皆さま、関係者の皆さまのご支援に深く感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
令和7年7月吉日
社会福祉法人 済昭園
理事長 小佐々 徹正